イヤホン難聴(ヘッドホン難聴)に注意

  • 2025.06.09

電車の中や街中でイヤホンを付けている方が多くなっています。

スマートフォンでBluetoothが使えるようになりイヤホンやヘッドホンのコードがなくなったため、わずらわしさがなく装着できるようになったのも使用者が多くなってきた要因の一つでしょう。気軽に音楽、動画をどこでも見られるようになったため電車の中や騒々しい街中で使っている方も多いです。

音楽や動画をどこでも持ち歩けるようになった反面、街中や電車内でのイヤホン使用は聞き取ろうとすると音量を上げてしまうことになります。騒々しい街中は約70dB、電車内は約80dBの音量です。この中でイヤホンを用いて音を聞き取ろうとするとそれより音を大きくしなければなりません。85dB以上の音は聞いている時間により「騒音性難聴」という大きい音が原因の難聴になる可能性があります。難聴リスクの目安としては85dBでは1日8時間を5~15年以上、100dBで数分~数時間、130dBで瞬間と言われます。大きな音により耳の奥にある音を感じる細胞(有毛細胞)がダメージを受けます。このダメージが大きいと細胞が死んでしまいます。この細胞は一度死んでしまうと再生しません。よく外来にいらっしゃるのはコンサートでスピーカーの近くにいて、終わったら耳鳴がしていて聞こえが悪いという方です。おそらく100dB以上の音だったのだと思います。

最近、WHO(世界保健機関)が世界で11億人の若者がイヤホン(ヘッドホン)に大きな音が原因の難聴を将来起こす可能性があると報告しています。一度起こってしまうと治らない可能性もありますので難聴にならないように予防が大切です。 予防としては騒音下でイヤホン(ヘッドホン)を使わない。使うのであればノイズキャンセリング機能がついているものを選択して、音はなるべく小さく(周りの音が聞こえる程度)、短時間にしていただくとよいでしょう