耳の病気について
毎年、風邪の時期になると、とても多い耳の病気として急性中耳炎があります。
特にお子様に多い耳の病気ですが、鼻風邪として治療を行っていてもなかなか治らず、実は急性中耳炎を罹患していたという症例も多くあります。
さらに最近では通年性のアレルギー性疾患(通年性のアレルギー性鼻炎等)が増え、鼻炎が原因で耳の病気を併発することもあります。
しっかりと治療しないと慢性中耳炎や滲出性中耳炎を起こし、場合によりましては難聴の原因になることもあるので注意が必要です。
安易に自己判断せずに、早めにかかりつけの耳鼻咽喉科に相談し、きちんと治療を続けることが大切です。
以下に主な耳の病気についてご説明致します。
こんな耳の症状はご相談ください
- 耳が痛い
- 耳がかゆい
- 耳だれが出る
- 耳あかが溜まっている
- 耳がつまった感じがする
- 耳鳴りがする
- 聞こえが悪い など
中耳炎(ちゅうじえん)
急性中耳炎 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん) 慢性中耳炎
外耳炎(がいじえん)
外耳炎
耳掃除などで傷つけた後に細菌が感染して、外耳道が腫れたり、痛くなったり、耳だれが出てくることがあります。
症状がひどい場合は、炎症を抑える処置をしたり、投薬を受ける必要があります。
また外耳道の傷にカビが感染することもあります。
痛みの他にかゆみがひどく、治療には日数がかかります。
耳あか
耳垢栓塞(じこうせんそく)
外耳道に耳あかが詰まった状態です。耳がふさがった感じ、難聴、耳鳴りなどが起こります。
耳鼻咽喉科を受診して、耳あかを除去してもらうといいでしょう。
難聴
突発性難聴
ある日突然、原因不明で起きる難聴で、障害の起きた場所が内耳と考えられるものを突発性難聴といいます。
耳鳴りやめまいを伴うことがあります。
内耳の蝸牛のほかに、三半規管や前庭も一緒に障害されることがあり、このときに、めまいや吐き気も伴います。
治療開始が早いほど治る確率が高く、治療開始が遅いほど難聴や耳鳴りが残ってしまう可能性があります。
難聴も早めに耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。
騒音性難聴
長年にわたり、うるさい音の中で仕事をしたり暮らしていると、難聴や耳鳴りが起こることがあります。
聴力検査をすると、特に4000Hz(ヘルツ)(1秒間に4000回の音の振動のある、比較的高い音)のところの聴こえが悪くなっています。
治療して治ることは困難なので、予防が非常に大切です。
耳管狭窄症
中耳と鼻腔をつなぎ、中耳の内圧を調節している耳管の開きが悪くなる疾患です。カゼなどの上気道炎や副鼻腔炎などで耳管が炎症を起こし、粘膜が腫れることによって生じます。
耳管開放症
通常は閉じている耳管が、必要以上に開いたままになる疾患で、耳の詰まった感じや自分の声が大きく聞こえるなどの症状が現れます。
耳鳴症
いわゆる耳鳴りのことで、周囲に音源が無いのに、音が鳴っているように感じられる症状のことを言います。
めまい
目が回るような感覚のことで、グルグル目が回る(回転性めまい)、フワフワふらつく(浮動性めまい)、クラッとする(立ちくらみのようなめまい)などがあります。
顔面神経麻痺
顔面神経によって支配されている顔面筋が運動まひを起こした状態です。原因がはっきりしない場合もありますが、最近ではヘルペス系のウィルスが原因のことが多くを占めることがわかってきました。
聞き取り困難症(聴覚情報処理障害)
聴力は正常でも、人混みなど雑音の多い場所では必要な音や話を選び取れず理解できなくなってしまう症状です。まだ原因がはっきり分かっておらず、耳そのものの異常ではなく、脳の音処理の障害と考えられています。