喉の病気について
のどの調子が悪くなったとき、耳鼻咽喉科と内科のどちらにかかれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか?
痛みや咳などののどの症状は、鼻の症状と関係していることもよくあります。
咽の調子が悪いなと感じたら、のどと鼻の専門家である耳鼻咽喉科の受診をお勧め致します。
場合によっては、内視鏡でのどの奥を診ることもあります。
こんなのどの症状はご相談ください
- のどが痛む
- のどに違和感を覚える
- のどにつまり感がある
- のどが腫れた
- 口の中が乾燥する
- 口臭がある
- 咳が出る
- 呼吸がゼーゼーする
- 声がかすれる
- いびきをかく
- 飲み込みが悪い など
急性扁桃炎
過労や感冒、気候変動などが誘因となり、細菌の感染によって起こります。
風邪の症状(発熱、悪寒戦慄、頭痛、全身倦怠)と強い咽頭痛が特徴です。
重症では扁桃の周りに膿がたまること(扁桃周囲膿瘍)があります。
治療方法
全身の安静や水分摂取、局所の清潔(うがい)が大切です。
重症では抗生物質の投与で細菌を抑えます。
通常1週間位で治りますが、扁桃周囲膿瘍では入院が必要なこともあります。
声がれ
嗄声(させい、といいます)とは聞きなれない言葉ですが、簡単に言うと「声がかれている」状態をいいます。
スポーツ観戦の応援、強いお酒を飲みながらのカラオケなど、のどの使いすぎで一時的に嗄声が生じる場合などは心配ないのですが、嗄声が何ヵ月も続いたり、徐々に進行する場合および反復して起こる場合は、放置するわけにはいきません。
原因を確かめるため、耳鼻咽喉科専門医に診てもらう必要があります。
治療方法
声の出しすぎや風邪などによる急性炎症は、発生を控え、内服薬・薬液の吸入でほとんどが治癒します。
一旦、ポリープや結節ができてしまうとラリンゴマイクロサージャリーにて切除しないと治りません。
声帯の微妙な振動がその人特有な声を作っているので、顕微鏡下の丁寧な手術操作が必要になってくるのです。
嗄声の長引く場合、特に声を酷使する人とか、喫煙習慣のある人は、自分の本来の音声をなくさないためにも、できるだけ早く専門医の診察を受けるべきと思われます。
声がれ
咽頭がんは、早期に発見すれば完治可能ながんです。
喫煙者の発生率が高いのが特徴です。
声門上部にできる「声門上がん」、声帯にできる「声門がん」、声門下部にできる「声門下がん」の3つがありそれぞれ症状が異なります。
疾患名 | 症状 |
---|---|
声門上がん | 異物感、いがらっぽさ、食べ物を飲み込む時に、痛みなどの症状がみられます。 |
声門がん | 一番多いがんで、初期症状は、声がかれます。食べ物を飲み込む時に、違和感を感じることもあります。 |
声門下がん | かなり進行するまで、自覚症状がありません。症状が出た際は、声がかれます。 |
咽頭がんの治療法は、放射線治療とのど頭を摘出する外科手術、抗がん剤を使用した療法などがあります。
症状により併用しますが、初期段階であれば、放射線治療だけで治すことが可能です。
※当院では、適切・迅速に連携している高度医療機関をご紹介いたします。
急性上気道炎(かぜ)
鼻からのど、気管の入り口にかけての空気の通り道(上気道)にウイルスなどの病原体が感染し、炎症を起こしている状態です。
急性咽喉頭炎
咽頭と喉頭(いわゆるのど)に炎症が生じた状態です。かぜ、インフルエンザなどによるウイルス・細菌感染、刺激ガスや粉塵の吸入、喫煙、声の酷使などによる粘膜の炎症が原因となります。
のどの痛みや痒み、声がれ、咳、痰などの症状を呈します。重症化すると急性喉頭蓋炎などを合併し、窒息のおそれも生じるので、呼吸困難が伴う場合は要注意です。
検査
喉頭鏡や喉頭鏡内視鏡により咽喉頭の観察を行い、炎症部位や程度を把握します。気道狭窄が無いかどうかも確認します。
治療
かぜに準じた全身的な治療や対症療法、吸入治療などを行います。重症化して気道狭窄がみられる場合は、抗生剤の点滴投与をします。外科的処置(気管切開)が必要となる場合には、高度医療機関を紹介いたします。
慢性扁桃炎
年に3〜4回以上急性扁桃炎を繰り返す病態のことです。薬物療法を行っても改善しないようなら、扁桃を切除する手術を検討します。
扁桃周囲膿瘍
急性扁桃炎に続いて口蓋扁桃の周囲に炎症が及んで扁桃周囲炎が発症し、さらに菌が膿のかたまりをつくった状態です。成人男性に多くみられます。切開して膿を出し抗生物質を投与します。
喉頭浮腫
いわゆる「のどぼとけ」の部位にあたる喉頭内部の粘膜が腫れ、呼吸が損なわれる状態です。高血圧薬や解熱消炎鎮痛薬などによって引き起こされるケースもあります。
アレルギー性気管支炎
アレルギーが原因で発症する気管支炎のことで、気管支にハウスダストなどの抗原(アレルゲン)が入ることによって、アレルギー反応を起こして発症します。
咳喘息
慢性的に咳が続く気管支疾患です。一般的な喘息と同様に、気道(呼吸時の空気の通り道)が狭くなり、様々な刺激に対して過敏になり、炎症や咳発作が起こります。
逆流性食道炎
胃液や胃内で消化途中の食物が食道に逆流し、食道が炎症を起こしてびらん(粘膜のただれ)や潰瘍を生じる疾患です。胸やけや咳、のどの違和感などの症状が起こります。
声帯ポリープ
声帯に生じたポリープのことで、カラオケや演説などの急激な発声が誘因となり、声帯粘膜に出血が起き、血腫が作られることを繰り返して生じると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時に呼吸停止、または低呼吸になる疾患のことです。その主な原因は、肥満やのど・顎の骨格的な形状などが関与して、のどの空気の通り道が塞がることです。
舌炎
舌に生じた炎症の総称で、原因は様々です。舌のやけどや、誤って噛んだ損傷などのほか、貧血や感染症などの全身疾患、薬の副作用などでも起こります。
口内炎
口内炎は、口の中やその周辺の粘膜に起こる炎症の総称で、疲労やストレス、ビタミン不足、口の内側を噛んだ時の刺激など、様々な原因で起こります。
その他
頸部リンパ節炎
くび(頸部)のリンパ節が炎症を起こして腫れた状態です。多くは口や咽喉の細菌感染による炎症ですが、ウイルス感染や結核などによる場合もあります。
急性耳下腺炎
耳下腺に何らかの原因で炎症が生じ、腫れが起きる疾患です。ウイルスや細菌によるもの、唾石症によるものなど病態は様々ですが、原因に応じた治療がそれぞれ行われます。
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
ムンプスウイルスにより耳下腺が腫脹する感染症です。片側あるいは両側の耳下腺の腫れや痛み、発熱、痛みに伴う食欲不振などがみられます。ワクチン接種による予防が有効です。